黒島天主堂は、マルマン神父がかつて通っていたフランスの教会堂に似ているという説がある。きっと神父が最も愛した教会堂のひとつなのだろう。1800年代のヨーロッパではロマネスク様式の教会堂が流行っており、黒島天主堂にもその影響が感じられる。特に顕著なのが、堂内側面の柱の間にあるアーチ状の半円形のデザインだ。また、中央祭壇部が半円形に造られているため、外側後部からみたときに半円形の煉瓦の壁がとても個性的なフォルムを造り出している。

今でもシスターがひもを引いて鳴らす聖鐘や美しいステンドグラス、珍しい木製のシャンデリア、イエスの聖心像(1m80cm)などは、創建時にマルマン神父がフランスから取り寄せたものである。さらに興味深いのは、近年まで黒島天主堂は畳敷きだったということだ。敷かれていた日本製の畳は169枚。和洋折衷のその不思議な空間を想像すると、黒島天主堂の歴史の重さがひしひしと伝わってくる。